ウソやろ、 と 思うくらいスーツが似合っているロシア人を前にして、出どころの
分からない苛立ちが心臓周辺を這いずり回った。
「今度はイツか、わからないから」別に構わなかった。次がいつだろうと、
もう一生目を合わすことがなかろうと、どうでも良かった。
つまるところ、自分はそういうことを問題としているのではなかった。
じゃあ何を問題としているのか。それがよくわからなかった。
ヴォルグの右足の横、トランクケース、 蹴ッ飛ばしてやりたい。スーフ●ミが
バグったときみたいに眼球がカラフルなノイズを宿した。縦だったり横だったり、
点々だったりしてその後はハレーション、...もう虫歯にでもなれ自分。
虫歯になったら歯が痛くてしょうがなくて、こんなに目がかゆいのも恐らく気に
はならないだろう。
じゃあアレだけは忘れんな、ア、あれもやった、これもやった、ドレもやん、
思った以上にたくさんあった。くそ、かっこわる、ださ、言うの止そう。
何故だ、男は。こういう時につかうべき言葉をなにひとつ持っていない、
とりあえず目がかゆい。目がかゆくてしょうがない!
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