ヴォルグは自分の目を急に覗き込んで、「これが最高?」と聞いてきた。
「なんや、どれ」
「目。これで開くの限界?」
一秒半きょとんしたが、すぐに言われた事実に気が付いて失礼なロシア男を
殴り倒した。
「どゆ意味やそれ、 すいませんね目えちっさくて!」
「違うの、ごめんごめん。
こう‥二重瞼がないから、目腫れてるのかと思って」
なんも違くないわ。もう一発ど突くと、近くに積み上げてあったビデオに
ヴォルグが当たった、ついに 崩れる。
「イタタタ」
「あほは一生痛がっとれそこで」
下手くそに日本風の痛がり方を見せたヴォルグに怒る気もだいぶ失せて、 で、なに と、こちらから聞き返す。
「ウウンなんでも」
「なんでもはないやろ」
そこでヴォルグは頭を掻いた。
「え、とね」
自分はつけっぱなしの試合のビデオに二秒半集中してヴォルグを脳の隅に
放置していたのだが、
「お誕生日おめでトウ、千堂」
三秒半、自分は反応に困った。
四秒後、「そんだけか?」聞き返した自分はテレビ画面に視線を戻す。
画面の中、自分はヴォルグにもらったパンチでちょうどダウン。
「ウウン あとね、」
みんなで集まるの夜でしょ?
お昼ご飯食べにいこ、と、ヴォルグは自分の左腕をひっぱった。
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